駒ケ根にて

美しく、静かに、

積もる時が、ここに。

 

2つのアルプスに囲まれた土地、駒ケ根。

目の前に高くそびえたつ山々、

後ろを振り向けば、そこにも山が連なる景色が広がる。

 

この土地に、

かねてから訪れてみたいと心に留めていたお店がありました。

靴の工房とギャラリーのような機能をもつアトリエショップ、トオクさん。

 

いつだったか、

SNSに投稿された靴の写真を見て、

なんて美しい気配を纏った靴なのだろうと、

目が釘付けになったことを鮮明に覚えています。

 

それはトオクの店主、室根さんがつくる「Sayū」の靴でした。

 

ほどなくして、

クラフトフェアまつもとで出展をご一緒することができ、

どうしてもこの目で見たくて、室根さんのブースを訪ねました。

 

そのときは、こちらも出展でバタバタしていたので、

作品を見せていただいて、少しお話をさせていただく程度でしたが、

革に対して、そして、ものに対しての考え方が、

僭越ながら、どこか近いような気がしたのです。

2階へと続く階段を上り、

扉を開けると、そこにあるのがトオクさん。

 

全面の窓からの光、

コンクリートの床、

時を感じさせる什器やオブジェ、、、

 

トオクさんの店内は、美しい感覚が宿った空間でした。

そっと、

息をひそめて見入ってしまうものたち。

 

 

美しい靴たち。

 

靴の他に

器に、本、靴下、古いもの、それに焼き菓子。

 

店主にセレクトされたものが並ぶ空間。

 

何屋さんなのだろう。

 

そんな堅苦しいことを言わなくても、

訪れた人々はみな、

思い思いに並べられたものを手に取り、

思い思いにこの空間を楽しんでいて、

間違いなく、

私もその中の1人でした。

この空間に私の革のものたちも並べていただいている、

トオクさんでの「春待ち財布とペルソナ」展。

 

ショーケースに飾っていただいたのは初めて。

とっても素敵。

 

そして、このコインケースの並べ方!

私と反対で、私にはとても新鮮でした。

この向きもいいですね。

 

こういう演出、好きです。

店主の遊び心。

じーっと見つめてしまったこのこ。

なんだったのだろう。。。

わかるかなぁ、、、

大きな鏡に映る雄大なアルプス。

 

鏡の中の世界に、思わずはっと息をのむ。

 

鏡の前を通るたびに、何度も同じことを繰り返していました。

心に1つ、また1つと、

積もっていくような時を過ごしていたトオクさんでの在店。

 

まだ書きたいこと、残しておきたいことが山のように。

続きはまた。